安心ステップガイド:家の中での転倒を防ぐ安全な室内履き選び
自宅での転倒を防ぐための小さな工夫
私たちは一日の大半を自宅で過ごします。ご自宅は最も安心できる場所であるはずですが、実は転倒事故の約半分は住み慣れた家の中で起こるとされています。その原因の一つとして、普段お使いの室内履きが関係している場合があることをご存知でしょうか。
不安定な室内履きや滑りやすい靴下は、思わぬ転倒につながる可能性があります。この記事では、自宅での安全な暮らしのために、どのような室内履びを選び、どのように使えば良いのかについて、簡単で実践的なヒントをお伝えします。
なぜ室内履きが転倒に関わるのでしょうか?
多くのシニア世代の方にとって、足腰の筋力やバランス機能は年齢とともに少しずつ変化していきます。このような体の変化がある中で、室内履きが以下のような状態だと、転倒のリスクを高めてしまう可能性があります。
- 滑りやすい底: フローリングや畳の上で滑りやすい素材の底は危険です。
- 不安定なかたち: かかと部分がなく、パタパタするタイプのスリッパは、脱げやすく、足元が不安定になりがちです。
- 大きすぎる、または小さすぎるサイズ: 足に合わないサイズの室内履きは、つまずきの原因になります。
- 装飾や厚み: 余分な飾りが引っかかったり、底が厚すぎてバランスを取りにくかったりすることがあります。
- 裸足や靴下だけ: 裸足は滑りにくそうに思えますが、汗などで滑ることがあります。また、靴下も滑り止めが付いていないと非常に危険です。
安全な室内履びの選び方
自宅での安心のために、室内履びを選ぶ際には以下の点に注意してみましょう。
- 滑りにくい底材を選ぶ:
- フローリングや硬い床材の上でも滑りにくい、ゴム製やそれに近い素材の底のものが安心です。溝があるデザインはさらに滑りにくさを高めます。
- かかとがあるデザインを選ぶ:
- かかと部分がしっかり足を包み込むデザインは、足が前後にずれにくく、安定感が増します。ベルトやマジックテープで調節できるタイプもフィット感を高められます。
- 足に合ったサイズを選ぶ:
- 大きすぎても小さすぎてもつまずきの原因になります。試し履きをして、かかとがはみ出さず、つま先に適度な余裕があるものを選びましょう。
- 軽すぎず、適度な重さがあるものを選ぶ:
- 軽すぎる室内履きは、足に吸い付かず、かえって不安定になることがあります。ある程度の重みと底の厚みがある方が、安定して歩きやすい場合が多いです。
- つまずきにくいシンプルなデザインを選ぶ:
- 大きなリボンや飾り、引きずるような素材のものは、家具などに引っかかる可能性があります。シンプルで足にフィットするものが安全です。
安全な室内履びの使い方と日々の注意点
安全な室内履びを選んだら、正しい使い方と日々のチェックも大切です。
- サイズ感を定期的に確認する: 足のサイズは変わることがあります。きつくないか、ゆるすぎないか、時々確認しましょう。
- 劣化をチェックし、交換する: 底がすり減っていたり、素材が傷んで滑りやすくなったりしていないか確認しましょう。安全のためには定期的な買い替えも必要です。
- 清潔を保つ: 汗などで滑りやすくなるのを防ぎ、快適に使うためにも、洗える素材のものを選んだり、こまめに拭いたりして清潔を保ちましょう。
- 階段では特に注意: 階段を上り下りする際は、室内履きが脱げたり、階段の端を踏んでしまったりしないよう、一段ずつ確実に行動しましょう。可能であれば手すりを使うことをお勧めします。
裸足や靴下で過ごすときの注意
短時間であれば裸足で過ごすことも問題ありませんが、長時間、特に家の中を広く移動する場合は、安全な室内履きを使用することが望ましいです。靴下だけで過ごす場合は、必ず底に滑り止めが付いているものを選びましょう。市販の靴下用滑り止め剤を利用するのも一つの方法です。
まとめ
ご自宅での転倒予防は、日々の小さな意識から始まります。足に合った、滑りにくく安定感のある室内履びを選ぶことは、そのための大切な一歩です。普段お使いの室内履びを一度見直して、安全なものを選んでみてください。
「安心ステップガイド」では、これからもシニア世代の皆様が、住み慣れたご自宅で、そして日々の生活の中で、より安全に、そして安心して過ごせるようなヒントをお届けしてまいります。小さなことから始めて、一歩一歩、安心な暮らしを築いていきましょう。