安心ステップガイド

安心ステップガイド:足元から整える!転倒を防ぐ靴選びと履き方のヒント

Tags: 転倒予防, 靴選び, 履き方, 安全な暮らし, シニアライフ

足元からの安心:転倒を防ぐための靴選びと履き方

日々の生活の中で、転倒の心配は尽きないかもしれません。特に足腰が弱ってくると、ちょっとした段差や滑りやすい場所でバランスを崩しやすくなります。転倒を防ぐためには、様々な対策がありますが、実は「靴」や「履物」は非常に重要な役割を果たします。

適切な靴を選ぶこと、そして正しく履くことは、足元を安定させ、安心して歩くための第一歩です。この記事では、転倒を防ぐための靴選びのポイントと、すぐに実践できる正しい履き方について、分かりやすくご説明いたします。

なぜ靴が転倒予防に大切なのか

私たちの体は、足裏で地面の感覚を捉え、脳が体のバランスを調整しています。靴は、この足裏の感覚を助け、地面との接点を安定させる役割を担っています。

不適切な靴は、足が靴の中でずれたり、地面からの衝撃を吸収できなかったり、滑りやすかったりするため、バランスを崩しやすくし、転倒のリスクを高めてしまいます。逆に、適切に設計された靴は、足全体をしっかりと支え、地面をしっかりとらえることができるため、歩行時の安定性を高め、転倒を防ぐ助けとなるのです。

転倒しにくい靴を選ぶためのポイント

では、どのような靴を選べば良いのでしょうか。ここでは、日常生活で使う靴を選ぶ際の具体的なポイントをいくつかご紹介します。

  1. かかとがしっかりしていること: かかと部分が柔らかすぎず、ある程度の硬さがある靴を選びましょう。かかとが固定されることで、歩行時の足のぐらつきが抑えられ、安定性が増します。
  2. つま先が適度に曲がること: 歩くときには、足の指の付け根あたりで靴が曲がります。硬すぎると足が前に進みにくく、転倒の原因になることがあります。ただし、柔らかすぎて全体がふにゃふにゃする靴も不安定なので、つま先部分だけが自然に曲がるものを選びましょう。
  3. 足の形に合っていること: 足の長さだけでなく、幅や甲の高さも重要です。きつすぎる靴は血行を悪くし、緩すぎる靴は靴の中で足が滑って不安定になります。試着する際は、立った状態で両足とも履き、つま先に1cm程度の余裕があり、幅がきつくないか確認しましょう。午後など足がむくみやすい時間帯に試着するのも良い方法です。
  4. 靴底(ソール)が滑りにくいこと: 靴底の素材や溝のパターンを確認しましょう。ゴム製などで滑り止めの加工がされているものが安心です。また、厚すぎず薄すぎない、適度な厚みとクッション性があるものが、地面からの衝撃を和らげてくれます。
  5. 軽いこと: 重たい靴は足を上げるのに余分な力が必要となり、疲れやすく、つまずきの原因になることがあります。できるだけ軽量なものを選びましょう。
  6. 紐またはマジックテープで調整できること: 足のむくみなど、日によって足の状態は変わります。紐やマジックテープで甲の部分をしっかりと固定し、フィット感を調整できるタイプの靴が、より安定した歩行をサポートします。スリッポンのように調整できない靴は、靴の中で足が動きやすく不安定になりがちです。

ウォーキングシューズなど、歩くことに特化して設計された靴は、これらの条件を満たしていることが多いため、おすすめです。

正しい靴の履き方

どんなに良い靴を選んでも、履き方が正しくなければ効果は半減してしまいます。

  1. かかとを合わせてから紐やマジックテープを締める: まず靴を履いたら、トントンと軽くかかとを地面に打ち付け、靴のかかと部分に自分の足のかかとをしっかりと合わせます。
  2. 足の甲をしっかり固定する: かかとが合ったら、つま先側から順に、足の甲に沿って紐を結ぶか、マジックテープを締めましょう。締めすぎず、緩すぎず、足の甲が靴に程よく固定されている状態が理想です。
  3. 靴下を履くこと: 靴下は足と靴のフィット感を高め、摩擦を減らし、汗を吸収する役割があります。薄すぎるものや厚すぎるものではなく、適度な厚みの靴下を履くようにしましょう。

家の中での履物にも注意を

転倒は屋外だけでなく、家の中でも多く発生します。特に注意が必要なのが「スリッパ」です。かかとが固定されないスリッパは、脱げやすく、階段の上り下りや急な方向転換の際に非常に不安定です。

家の中では、かかとがある程度固定されるタイプのルームシューズや、滑り止め加工が施された靴下型スリッパなど、安定性の高い履物を選ぶことをおすすめします。フローリングや滑りやすい床材の部屋では、特に足元の安全に気を配りましょう。

継続のためのヒントと得られる安心感

靴選びと履き方は、一度行えば終わりではありません。靴は履いているうちに形が変わったり、靴底がすり減ったりします。定期的に靴の状態をチェックし、古くなったり傷んだりした靴は交換しましょう。また、ご自身の足のサイズや形も年齢とともに変化することがありますので、靴を購入する際はその都度試し履きをすることが大切です。

足元が安定することで、歩くことへの自信が生まれ、行動範囲が広がるかもしれません。これは、日々の生活の質(QOL)を高めることにもつながります。適切な靴選びと正しい履き方を毎日の習慣にすることで、より安全で活動的な日々を送っていただけるでしょう。

この記事が、皆様の転倒予防と安心な暮らしの一助となれば幸いです。